この社会では人材は大きく2つに分けられます。
一つの分野に秀でた一点特化型の「スペシャリスト」、もしくは幅広い分野に明るい万能型の「ジェネラリスト」か。
非常に分かりやすい分け方です。
ですが、本当に優秀な人たち(かつ、現在の人事評価では高い評価を得にくい存在)はそのどちらでもない、いや、双方の良いとこ取りをした特性を持っていることが多いと僕は思います。
ナルシスト的発言をするつもりはないですが、僕自身もそのような特性を持っていると思っています。
そういった人物を僕は“マルチスペシャリスト”と呼んでいます。
彼ら・彼女らが一体どんな人たちなのか、僕の考えをお伝えしたいと思います。
スペシャリスト(Specialist)とは?
「スペシャリスト」は読んで字の如く、“スペシャルな”能力を持っている人たちです。
才能ある研究者、世の中に新たなサービスを生み出す起業家、世界で活躍するスポーツ選手。
世の中で注目され活躍するのはいつもスペシャリストです。
彼らは簡単にいうと「一点特化型」。
その一点において常人を凌駕する能力を発揮する人たちです。
その代わり、それ以外の分野は全くもって苦手だったり、変わり者だったりします。
ですがその一点のスキルを活かして世界をあっと驚かせることができる、いわゆる「天才」というやつです。
彼らが持っているのは「才能」と「集中力」。
先天的であれ後天的であれ、その分野で名を挙げるにふさわしい「才能」を持ち、その分野だけに没頭する圧倒的な「集中力」を兼ね備えています。
だからこそその一点だけを磨き上げ、その分野で大きな活躍ができるのです。
ジェネラリスト(Generalist)とは?
一方、「ジェネラリスト」はスペシャリストとは対照的に、万能型の人物のことです。
学生時代で言えば、国語・数学・理解・社会、それから体育や家庭科に至るまでほぼ全ての分野に精通する人たち。
精通すると言っても一点を極めたスペシャリストに比べれば足元にも及ばないかもしれません。
ですが、たとえどんな分野でも活躍できるその対応力こそがジェネラリストの強み。
ビジネスの分野で高い役職につくのはどちらかといえばジェネラリスト。
経営からマーケティング、人事に至るまで様々な知識を得ていなければ企業のトップ層には入れません。
何でもできる「優等生」である一方、これといった特徴がないのもジェネラリストならでは。
基本的に何でもできてしまう、「秀才」と言えるでしょう。
彼らが持っているものは「幅広い興味」と「対応力」。
「幅広い興味」を持っているからこそ多くの知識を得ることができ、「対応力」があるからこそどんな分野でも活躍ができる。
だからこそ幅広く高い能力が要求されるビジネスの世界で活躍できるのです。
マルチスペシャリスト(Multi Specialist)とは?
さて、この世界にはその二つのどちらにも分けられない存在が一定数います。
彼らを僕は「マルチスペシャリスト」と読んでいます。
彼らは「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」の良いとこ取りをした人たち。
幅広い特定の分野に興味を持ち、その分野でものすごい力を発揮する人たちです。
「対応力」のある分野はジェネラリストよりも狭く、それぞれで発揮できる「才能」はスペシャリストよりも低い。
でも、ジェネラリストを凌駕する圧倒的な「幅広い興味」と「集中力」を持った人物です。
彼らはものすごく幅広い分野に興味を持ち、常に研究・学習を欠かしません。だからこそそれぞれの分野で知識を得ることができるのです。
ですが、勉強する中で興味がなくなっていくことも多々あり、結果、精通する分野はジェネラリストよりも狭くなります。
また、ものすごく高い集中力を持ち合わせています。た
だし、これもまたスペシャリストが持っている一点特化型の集中力とは少し違い、瞬間的に分野を切り替えても高い集中力を発揮する。そんな能力を持っています。
「幅広い興味」と「集中力」、それぞれジェネラリスト・スペシャリストとは少し違いますが、いずれも圧倒的な能力を発揮できる人物。
それが「マルチスペシャリスト」です。
かくいう僕も、おそらく「マルチスペシャリスト」。
ものすごく幅広い分野に興味がありますが、勉強しているうちにすぐ飽きます(笑)。
それぞれの分野でものすごい集中力を発揮しますが、一つの分野だけに集中するとすぐにバテます。
結果、ジェネラリストほど対応力はないけど多くの分野に圧倒的な興味を持ち、スペシャリストほど才能はないけど様々な分野で集中力を発揮できる。
そんな「マルチスペシャリスト」になってしまいました。
これから世界を動かすのは「マルチスペシャリスト」だ!
その上で、僕はこれからの世界を牽引するのは「マルチスペシャリスト」だと確信しています。
今や農業とテクノロジー、医療とマーケティングが合体する時代。一つの分野に精通しているだけではそういった斬新な発想を生み出すことはできません。
また、どんなに幅広い知識を持っていても、それぞれの知識レベル・実践レベルが低ければ、様々な分野を横断的に捉えた斬新なアイディアを生み出すことはできません。
そう、「マルチスペシャリスト」最大の能力はその幅広い興味と集中力から生み出される「発想力」です。
分野は限られるけど、どんな知識も吸収してどんな時でも集中する力。
そこから生み出される発想は他の追随を許しません。
もしあなたが自分の特性に違和感を感じているなら、「スペシャリスト」でも「ジェネラリスト」でもないと感じているなら、
あなたは新たな特性を持つ人物、「マルチスペシャリスト」かもしれません。
だから、今の時代で評価されているスペシャリスト・ジェネラリストどちらでもないことに悩まず、その「興味」と「集中力」をフルに発揮してみましょう。
きっとこれからの時代、あなたのような「マルチスペシャリスト」が世界を動かしていくはずです。
(追記)
今回の記事の内容と共通する記事「やりたいことが多すぎて困っている人へ。マルチポテンシャライトになろう。」もぜひ御覧ください!
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