「やりたいことがなくて将来が不安」という人は多いと思いますが、その一方で、やりたいことが多すぎて困っている人もいます。
はい、僕のことです。
昔から僕はいろんな分野に興味があっていろんなものに挑戦しては失敗したり、ある程度成功したりしてきました。
そんなことを続けてきたので今では、本業でデザイナー・ディレクターとして働きながら、副業でデザイナーをやったり、自分でプロジェクトを運営したり、知り合いのプロジェクトにデザイナーとして入ったり、このブログを書いたり…。
かなり色々な活動をしていると思います。
一見すると充実していて将来に何の不安も抱えていないように見えるかもしれませんがそんなことはありません。
それは、いつの時代も成功者たちは一つの道を極めているからです。
僕の周りにいた人たちも、一つの道を極めた結果俳優として映画に出演するまでに成長したり、若手起業家として成功を収めたりしています。
そういう人たちは皆、自分の目指すものを一つに絞り、それを極めたからこそその高みに到達しているわけです。
しかし、僕のように興味の幅が広く、何でも「やってみたい」と思ってしまう人種には、一つの道を極めることがすごく困難です。
僕の場合は幸いにも、大抵の場合はどんな分野でもそこそこの成績を上げることができるのですが、ある程度のところまで行くと急に興味がなくなります。
そして次の分野へ…ということを繰り返しているうちに、気がつけばいろんな分野に精通しているけど、どの分野でも大きな成功を収めていない人になってしまうのです。
これまで様々な分野に投じてきたエネルギーや時間、お金を一つの分野に集中投下していれば、もしかしたら自分も一つの道を極めて成功者になれたかもしれない。
そんな後悔にも似た気持ちに苛まれて、時々ものすごく不安になります。
皆さんの中には少なからず、僕と同じタイプの方がいると思います。
そんな方に突き刺さる素晴らしいTEDスピーチを発見したので、今日はそれを紹介したいと思います。
マルチポテンシャライトになろう、伝説のTEDスピーチ
その中で、様々な肩書きを持ちながら仕事をしているキャリア・コーチ、Emilie Wapnick(エミリー・ワプニック)が語った「マルチポテンシャライト」についてのスピーチが僕にはものすごくブッ刺さりました。
スピーチは12分ほどありますが、ぜひ見てみてください。
↓
このスピーチの中で登場する「マルチポテンシャライト」という言葉。
英語で書くと
MULTIPOTENTIALITE
つまり
Multi (マルチに)
Potential(可能性を持った)
Ite:(人)
という意味。
要するに、いろんな分野に興味があるからこそ、マルチに活躍できる可能性を秘めた人ということですね。
動画内では、
多くに興味を持ち創造を追求する人
と訳されています。
僕はこの段階ですでに、Emilie Wapnickの語る「マルチポテンシャライト」がまさに自分を言い表した言葉だと深く納得していました。
スピーチは、子供の頃誰しも親や学校の先生に聞かれたことのある「大人になったら何がしたい?」から始まります。
僕はもう24歳なので立派な大人ですが、「(大人になった)今何がしたい?」と聞かれたら、時間の許す限り自分のやりたいことを話してしまうと思います。
スピーチでも述べられているように、この「大人になったら何がしたい?」という質問は具体的な回答を求めるようなものではなくて、親が子に話しかける常套句、子供の興味を聞いてみたいという親心から出た単なる会話の一つと捉えて良いでしょう。
でもありきたりなこの質問こそが、子供に夢を考えさせるのではなく「選択させる」ことを強要しているのだと言います。
確かに「大人になったら何がしたい?」という質問は、一つの回答を求めるような質問形式になっていて、このように聞かれれば子供の時の僕でも何か一つの最適な回答をするべきなんだな、と何となく感じ取ってしまいます。
自分のやりたいことを一つに絞ることができないのは、何ら問題ない。
なぜならあなたは「マルチポテンシャライト」だから、というのがEmilie Wapnickの主張です。
そして、「マルチポテンシャライト」には3つのパワーがある、と続きます。
①IDEA SYNTHESIS(アイディアを統合させる力)
まず一つ目が「アイディアを統合させる力」。
様々な興味を持っているからこそ、その幅広い知識を合わせて革新的なアイディアを生み出すことができる。
新しいアイディアは既存のアイディア同士の掛け合わせでしかない、という言葉もありますし、掛け合わせるアイディアを多く持っている人があっと驚くアイディアを生み出すことができるのはいうまでもありませんね。
②RAPID LEARNING(迅速な学習力)
常に新しい分野に挑戦するマルチポテンシャライトには「迅速な学習力」があるとEmilie Wapnickは述べます。
確かに僕も常に新しい分野に片足を突っ込みながら生活しているため、毎日が学習の連続です。
そのためどうすれば効率的に新たな知識を吸収できるか、ある程度のスキームを持っていると自負しています。
この「RAPID LEARNING」についてのセクションで出てきた、「(マルチポテンシャライトは)初心者である事にも慣れている。なぜなら初心者だった事が多かったからだ。」という部分に僕はものすごく共感しました。
実際僕も思い返せば常に初心者。
大学で専攻分野外にのめり込んだ時も全くの初心者でしたし、卒業後にデザインの道に進んだ時ももちろん初心者。
Emilie Wapnickが続けて述べた「(だからこそ)居心地の良い所から足を踏み出すのも怖がらない」という言葉にも納得します。
僕自身、ある程度結果を残してその分野の居心地が良くなったとしても、すぐにでもそれを投げ打って別の分野に挑戦することができます。
③ADAPTABILITY(適応力)
言わずもがなですが、様々な分野に挑戦するマルチポテンシャライトは適応力があります。
たとえどんな分野・環境に突っ込んでいってもすぐにその状況に対応できる。
激変していくこれからの社会で生き残るには、容易に方向転換ができる適応力が必要だと述べます。
このスピーチは終盤、「スペシャリスト」というフレーズを出してクライマックスに向かいます。
スピーチで述べられているように、一つの分野を極める「スペシャリスト」こそが重要だと考えられがちな現代、「マルチポテンシャライト」たちは「スペシャリスト」であれと教育されます。
まさにこの部分にマルチポテンシャライトが受け入れられない問題点が浮き彫りになっていると感じました。
僕自身もあまりに多くの分野に手を出していた時に、周りから「もっと一つの分野に絞った方が良い」と何度も言われた経験があります。
その意見自体はごもっともだし、多くの人にとってはそれが正解だと思うのですが、僕自身はそれが正しいとは思いませんでした。
もちろん、世の中にはスペシャリスト気質の人も多くいるとは思いますが、明らかに僕はスペシャリストではないとかなり早い段階から悟っていました。
スピーチのクライマックスでEmilie Wapnickは「内に秘める情熱を大切にしよう」と述べます。
常に渦巻いている様々な好奇心、そしてそれを形にするための強い情熱。
スペシャリストはそれが一つの方向にギュッと凝縮されていて、マルチポテンシャライトはそれが様々な方向に発散されている。
ただ、それだけの違いだと思います。
双方が手を組んで物事に取り組むことで、これから先の時代、見たこともない革新的な変化が生まれていくのだと思います。
まとめ
今回はEmilie WapnickのTEDスピーチについて紹介しました。
僕はいろんな分野に興味が分散してしまう僕の特徴に不安を持っていたのですが、このスピーチを見てこのまま自分らしく活動を続けていこうと決意しました。
僕の周りで成功した人たちはみんなスペシャリストだったのかもしれないし、もしかしたらマルチポテンシャライトだけどそのうちの一つの側面しか取り上げられていないのかもしれません。
とにかく、僕自身は一つの分野にどっぷり浸かるとすぐに飽きてしまう人類なので、あっちの分野に片足を、こっちの分野に片足を、もう一個の分野には腕まで…といった具合で、様々な分野に興味と情熱を向けながら生きていこうと思います。
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